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矯正料金の仕組み

矯正歯科ブログ

矯正歯科の治療費というのは、顎変形症など外科手術を併用した一部の治療以外は、健康保険が適用されません。
これは、自由診療といって、治療費の法的な基準は存在しません。
下は、読売新聞社調べ(2009年)の、全国の矯正治療費です。

このデータは、約12才以降のII期治療および成人の全顎矯正治療の料金の平均で、部分矯正や、小児のI期治療は含まれていません。

やはり、東京は割高なようです。
テナント費用や宣伝広告費用がかさむためでしょうか。

当院は、ほぼ全国平均で、都内よりいらっしゃる患者さんからはリーズナブルな価格と思っていただけるようです。

さて、ここで、言いたいのはそのことではないのです。
先日いらっしゃった患者さんが、
「都内のあるところで矯正料金全て込み込み30万円という医院があるのですが。」
と相談されました。
確かに、競争の激しい池袋や新宿の医院ではたまにこういった料金体系を見かけます。

しかし、ちょっと考えてみましょう。
まず、約80万円という治療費は、そもそも材料費、技工費、人件費や家賃などの固定費、さらに減価償却費などを考慮して設定されています。
また、矯正のプロになるには、何年も薄給にて修行をしなければなりません(歯科医師になってから最短で5年/大方7〜10年かかる)。
こういったことを勘案した上で、治療料金が決定されるのですから、30万円の治療には何か裏があると勘ぐりたくなるのではないでしょうか。


30万円で治療を行った場合、普通にやっていては間違いなく利益は生じません。

どこかで何かを大幅に削減しなければなりません。
では、30万円で治療を行うために削れるところは?
それは、材料の質を落とす、人を減らす、治療期間を短くする、といったことが考えられます。

材料と人は分かりやすいと思いますが、『治療期間を短くする』は分かりにくいかもしれませんので、
説明します。
患者さんは、治療期間が長引くと、こう思いがちです。
「長引かせてお金儲けしようとしているのでは?」
ところが、歯科矯正の世界ではこれは逆であることが多いのです。
治療費80万円・治療期間2.5年の患者さんは、治療終了までにだいたい40回来院されます。
つまり【2万円/1回の来院】となります。

では、この治療を15回の来院で終わらせたとしましょう。
そうすると、5.3万円/1回となります。
さらに、治療が早く終われば、ユニット(歯科医院の治療用のイス)が空きますので、新たな患者さんを診ることができます。
よって、治療は早く終わらせる方が、利益が上がるのです。
30万円での治療も、15回で終わらせ、次の新たな患者さんにあたれば、より利益が得られるということなのです。

気付かれましたでしょうか?

30万円で治療を行うためには、2.5年かかる治療を約1年で切り上げなければならないということです。
患者さんは嬉しいでしょう。
早くて安いわけですから。
しかし、2.5年かかる治療には2.5年の理由があるわけで、
これを強引(コルチコトミー併用だのゼロメッソドだのとエビデンスのない理由付けをして)に1年で終わらせても、満足できる結果が得られないばかりか、矯正治療前の元の状態に戻ってしまうのです。

 

著しい後戻りをしてしまって、当院に再治療で訪れる患者さんが沢山いらっしゃいます(特にデーモンシステムやマウスピース矯正、非抜歯拡大矯正が多い)。
矯正治療をお考えの方は、後悔しないように『早い・安い』には注意してみるのも重要であると思われます。

 

*ちなみに…

インビザラインやクリアライナーなどのマウスピース矯正は技工費用が結構かさみます。そこでは何かを削らなければなりません。

それは、1回あたりの治療時間です。

マウスピース矯正は、歯型を採ってそれを技工所に宅配便で送り、後日技工所からマウスピースが何セットか送られてきます。

それを、患者に渡す。

つまり矯正医は仲介屋的な仕事をするだけです。

であれば、当然1回あたりの治療時間は短縮できます。

そこで余った時間は新規の患者にあてる。

こういったカラクリで利益を上げるのです。

 

*さらに…

スピード矯正や格安矯正では『歯を抜かない』というフレーズをよく見かけます。

実は、抜歯矯正は非抜歯矯正よりも難易度が高くかつ治療期間が長くなる傾向があります。

歯を抜けば、抜いた場所を歯を動かしてつめなければなりません。このとき歯が動く量はせいぜい1mm/月ですから、歯を抜けば必然的に治療期間が長くなります。

また、抜歯空隙をつめるには、前歯と奥歯で綱引きをさせます。ここで、奥歯をきちんとコントロールしていないと、奥歯が前に来てしまい前歯の後退できる量が減ってしまいます。

こういったことを覆い隠すために、歯を抜くわけにはいかないのです。早く終わらせるためには。

だから、『安い』とか『早い』の後には『抜かない』がセットでついてくることが多くなるのです。

 

安く、早く、は全ての患者さんの望む所です。私もそうです。

しかしながら、そこには落とし穴もあることを心の片隅ににでもいつも置いてもらえれば幸いです。

 


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