TOPへ

ブログ

頭痛と咬み合わせ

矯正歯科ブログ

頭痛と咬み合わせの関係は従来から指摘されていますが、二者の関係性について科学的にはまだまだ詳しく解明されていません。

まず、頭痛の分類を示します。

1.一次性頭痛(慢性頭痛);片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など
2.二次性頭痛(器質性頭痛);脳腫瘍やくも膜下出血など原因のsる頭痛
3.頭部神経痛

この中で歯科領域に関わる頭痛をまとめてみました。

1.一次性頭痛
【片頭痛】
このなかでも潜在的な罹患人口が多いと言われているのが片頭痛です。
この片頭痛には、頭部や歯を支配している三叉神経が密接に関与している事が近年の研究で明らかになってきました。片頭痛発作時には脳血管周囲の三叉神経から神経炎症タンパクが放出され、痛みが誘発されるのです。
したがって虫歯1本でも片頭痛が誘発されることが確認されています。
内科的処置としてはトリプタン製剤(片頭痛発作頓挫薬)の服用が有効とされます。
【緊張型頭痛】
咬み合わせの不具合から側頭筋の緊張と頭痛をきたす事が多いとされています。
近年の研究では緊張型頭痛を訴える患者の大部分が片頭痛を併せ持っていることが多いと報告されています。
治療法は、消炎鎮痛薬の処方と併せて、マウスピースの装着が有効である、とされています。

2.二次性頭痛
顎関節の炎症がもとで痛みをきたす顎関節症や側頭動脈炎には注意が必要で、間接リウマチが潜在していることもあります。
特に側頭動脈炎では失明に至る事もありますので、早期発見と副腎皮質ホルモンによる加療が必要となります。

3.頭部神経痛
【後頭部神経痛】
三叉神経は後頭部皮下に分布する後頭神経と情報交換しており、歯の治療直後に後頭部に刺すような不定期におこる数秒間の痛みと皮膚の違和感を訴える事があります。
カルバマゼピンなどの抗てんかん薬が有効とされます。


こうしてみると、特に一次性頭痛が咬み合わせと関係があることが分かります。
マウスピースによる頭痛治療は、マウスピースで咬み合わせの異常を一時的に隠して症状を緩和する対症療法といえます。
根本的に咬み合わせを改善するには、やはり矯正治療が有効であると思えます。
ただし、頭痛を主訴に矯正歯科に来院された患者さんについて、本当に咬み合わせが原因の一次性頭痛であるかどうか、他の要因が絡んでいるのかどうか、の診断はいくぶん困難です。
矯正治療によって片頭痛が無くなった患者さんはたくさんいらっしゃいますが、
現時点では、その患者さんがたまたま咬み合わせを主原因とした一次性頭痛を有していた、としかいいようがないようにも思えます。

現代医学では、一つ一つ考えられる要因をつぶしていくという方法をとるしかないのかもしれません。
その一つの方法として、矯正治療による咬み合わせの改善が一次性頭痛治療に有効であることは、疑う余地のないところです。



足立区から矯正歯科なら矯正歯科飯島クリニックへ!

成人矯正専門サイト

矯正歯科ブログ